【仲川輝人選手】 J1優勝を掴んだ”思考法” -トップアスリートが実践する怪我に対する向き合い方とは?
2022年シーズン、所属する横浜F・マリノスのJ1優勝を決定づけるゴールが記憶に新しいプロサッカー選手、仲川輝人(なかがわ・てるひと)。
大学時代から得点王やユニバーシアード日本代表選出など、日本サッカー界の期待を背負っていた中で負ったサッカー人生を左右するほどの大怪我。そんな大怪我を乗り越え2015年から横浜F・マリノスに加入。2019年にはJ1で得点王・MVPを獲得。2022年も怪我に苦しめられながら、7ゴール6アシストとチームのJ1優勝に大きく貢献。
今回は、度重なる怪我にも挫折せずに打ち勝つための思考法や、今シーズンから使い始めた高周波機R-SHOCKによるフィジカルケアについて話を伺いました。
※2023年シーズンよりFC東京への移籍を発表。
※R-SHOCKとは、世界初モバイルRFとして高周波×低周波の同時出力で、痛みを軽減することが可能な高周波機器。多くのスポーツチームやアスリートのケア使用されている。
地味なルーティーンの積み重ねが結果につながると確信している
ーサッカーは怪我の多いスポーツですが、練習や試合中に痛めやすい部位はありますか?
今年4月にアキレス腱炎が出てから繰り返しやすくなってしまいました。あとは筋肉系が多いですね。前もも、もも裏など。
ー怪我予防のために気を付けられていることや、ルーティーンを教えてください。
練習前のアップもそうですし、治療器を使って筋肉を温めてから練習に臨むことですね。練習後は毎日交代浴をしています。アイスバスに7~10分入ってから温かいお湯に入って、血液の循環を良くし、疲れを翌日に残さないようにしています。あとはトレーナーに痛みがある部分のケアをしてもらっています。
ー普段の食生活で意識していることはありますか?
緑黄色野菜を含め、野菜中心の食事を心がけています。栄養が高いトマトなど食べれたら本当はいいんですが、ちょっと苦手なので(笑) その分ブロッコリーなど好きな野菜で補っています。あとは3食しっかり摂ること。筋トレや練習後すぐに食事ができる環境に今はいるので、プロテインを含め、素早い補給を心がけています。
R-SHOCKによるケガの治りの早さと予防ができていることに驚いてます
ー怪我をされた後、今季は7ゴールとパフォーマンスがあがっているように感じます。R-SHOCKの使用前と比べて、身体の変化はいかがですか?
小さいものを含めて前ももやハムストリングスに肉離れを今シーズンよく起こしていたので、その部分に使ったんですが、圧倒的に治りの早さを感じています。痛みが長引かず、数日のリハビリ後すぐに、強度をおさえながらではありますが練習に合流することができて助かっています。
ーそれはよかったです。以前と比べて試合や練習に戻れるまでの期間の変化などわかれば教えていただけますか?
今年は大きい怪我をしていないので単純に比べることが難しいですね。R-SHOCKを使っているから大きくなっていないんだと思います。今までは筋肉を傷めてしまっても無理をしてプレーすることで悪化させてしまっていたのが、R-SHOCKを使っているので痛みや炎症が最小限に抑えられているように思います。
ーアキレス腱の怪我の治りや痛みに関して改善した部分はありますか?
慢性的な怪我になってしまったのですが、R-SHOCKを使うことでプレーできないほどの重症にはいたっていませんね。
ー他にも超音波の機器など使われていると思いますが、R-SHOCKの使用感などはいかがですか?
まずR-SHOCKに悪いところが見つからないですね(笑) 1回の充電で3時間ほどバッテリーがもつので、1日2日はどこでも使えるというのが魅力的です。使い方も簡単で、すぐに使えるようになりました。練習前後、寝る前の20分、本当にどこでも使っています。今シーズンから使わせてもらっているんですが、プレーの質や動きがだんだんよくなっている感じがします。
もちろんトレーナーにケアしてもらうのもいいんですが、やっぱり自分で行うと患部への熱の入りもわかりやすいですし、セルフケアが1番だと思っています。そういった点でも、R-SHOCKは座りながら手軽にセルフで使える点がありがたいですね。
大学時代も今も、変わらない向上心が結果に繋がっているんだと思います
ー優勝を争う中でチームの中で多くのプレッシャーもあるかと思いますが、メンタルケアを含め、チームで意識されていることって何かありますか?
常にポジティブにいることを意識しながらチームメイトと過ごしています。今年もチームメイトに前十字靭帯断裂という大怪我を負ってしまった選手がいて、自分もその気持ちが痛いほどわかるので、自分がどう力になれるのかなど、30歳になってようやく気を遣えるようになってきた気がします(笑) まあ、他愛もない話をするとか、そんなことなんですけど、そうやってコミュニケーションをとることが1番大事なのかなと思いますね。
ー大学時代に右膝前十字靭帯断裂などの大怪我をされたとの記事を拝見しました。抜群のスピードを武器にする仲川選手にとっては致命的なケガだったと思うのですが、どのようにメンタルを切り替えられたのでしょうか?秘訣があれば教えてください。
まずサッカーをしたいというのが1番でしたね。そのために1日1日を無駄にせず、どうやったら怪我をする前の状態に体を持っていくことができるのか、トレーナーが10ヶ月付きっきりで一緒に考えていました。手術後は地味なトレーニングが続き、毎日毎日同じことを繰り返すのみでボールを触ることができなかったのが1番精神的にはつらかったです。ただ、日々少しずつ膝がよくなっていることを実感できたことがリハビリの原動力でした。
ー今後の日本代表を担う若者たちへの参考に、ご自身が学生時代、新人時代にやっていてよかったと思う習慣などはありますか?
んー、たくさんありますね。(笑) でもやっぱり基礎練習が1番じゃないですかね。大学時代はシュート練習は毎日欠かさずやっていたおかげで大学時代得点王になることもできたと思ってます。地道なシュート練習の大切さは1番皆さんに伝えていきたいですね。あとはパスやトラップなど、サッカーの基礎中の基礎の練習を正確に1つ1つこなしていくことが大事ですよね。地道なことですけど結局はこれをどれだけ続けてやれたかが結果に繋がってくると信じています。
ー仲川選手がここまでやってこれた1番の要因はなんだと思いますか?
大学のサッカー部では”向上心”という言葉を常に共通して使っていて、それだけは他のどんなチームにも負けていなかった自負はありますね。ありきたりな言葉に聞こえるかもしれませんが、やはり1番大事なことなんじゃないかなと思っています。実は、大学時代グラウンドを体育の授業と順番に使っていたので毎日朝の7時から9時までの1時間半しか練習時間がなかったんです。
ーえっ、それは短いですね。
そうなんです。でも逆にそのおかげで、余計に集中力も上がって高い向上心を持ち続けられたんじゃないかなと思ってます。いかにその限られた時間の質を高められるんだろうと、チーム全員が考えていましたね。1分1秒を無駄にせず向上心を持ち続けることでチームは強くなると思います。その結果大学時代4連覇を達成することもできたと思っています。
ーありがとうございました。今後のご活躍も期待しています!
プロサッカー選手 仲川輝人(なかがわ・てるひと)
他を圧倒するスピードで、自陣からでも単独でゴール前までボールを運んでしまう高速ドリブラー。2019年にはJ1得点王とMVP、ベストイレブンなど個人タイトルを総なめにし、チームを15年ぶりのリーグ優勝へと導く。
2013年 専修大学3年次に関東大学1部リーグ得点王を獲得
2015年 横浜F・マリノス入団
2016年 FC町田ゼルビアへ育成型期限付移籍
2017年 アビスパ福岡へ期限付移籍
2018年 横浜F・マリノスへ復帰
2019年 得点王とMVP、ベストイレブンを獲得し、チームを15年ぶりのリーグ優勝へと導く
2019年 EAFF E-1サッカー選手権の日本代表に初選出
2020年 アジアチャンピオンズリーグ第2節のベストプレーヤーに選出
2022年11月 FC東京への移籍発表