スペシャルインタビューinterview

トレーナーとの信頼関係やチーム力で驚異のスピード成長を遂げるいわきFC

地元に愛され、ファンを熱狂の渦に巻き込むいわきFCの選手は、勝利のためにひとりひとりがプロ意識を持って日々奮闘しています。

それだけでなく、選手がベストなパフォーマンスを発揮できるよう環境を整えるトレーナーとの信頼関係や、「チームワーク力」に強さの秘訣が隠されているようです。

そんないわきFCは、体のケアに欠かせない相棒としてWINBACKを活用してくださっています。気になる実際の効果や活用方法について、いわきFCのトレーナーと選手の4名に話を伺いました。

左から、トレーナー:齋藤 駿一郎さん、メディカルオフィサー:井澤 秀典さん、トレーナー:原田 倖大さん、フィジオセラピスト:岩楯 大輝さん鈴木トレーナー

ー まずはトレーナーに質問です。
選手の体のケアにWINBACKを取り入れようと思ったきっかけを教えてください。

井澤秀典(以下:井澤トレーナー):今まで使っていたホットパックのようなものよりも、深部まで熱を加えられる機械が欲しかったんです。

運動前や運動後に体を温めることは、スポーツ選手にとっていい刺激となって、けがや痛みなどの症状を和らげる効果が高くなるんですよね。WINBACKの存在は前から知ってはいたんですが、欲しいと思うタイミングで機械をより知る機会があったので試してみました。

原田倖大(以下:原田トレーナー):以前からいいものであることは知っていましたが、金額的なところを含めた事情もあって、使ったことはありませんでした。

実際に使い始めたのはこのチームに入ってからで、これまで所属していた場所で機械を使う場合は、超音波などで対応してきました。

ー 実際に使ってみて、他の機械との違いはありますか?

井澤トレーナー:他の機械と比較すると、簡単で使い勝手がいいです。あとは、手技を行いながら併用できる機械は他になかなかないので、そこが強みじゃないですかね。

熱が通る時間も、他の機械と比べると早いので、どんなときでもスピーディーに対応できるのも魅力ですね。僕が対応する選手は、故障していたり手術明けだったりする「けが人」なので、けがの回復手段の一つとしてもWINBACKを使っています。

僕はいわきFCには月に一度しか来ないんですが、その度に必ず使っていますよ。

原田トレーナー:一番は即効性で、瞬間的に短い時間で目的とした部分を温められるところですね。そこは他のどの機械にも真似できないところです。例えば、選手は練習前に体を温めたいのですが、トレーナーの数は限られるので、手技でのマッサージを全員にはできません。

しかし、WINBACKを使うことで、瞬時に体を温められてすぐに練習に入れるので、最短で準備が終えられるんですよね。たくさんの選手に対応する練習の合間のような場面でも、最短で温められるので、自分ひとりではできない予想以上のサポートができてしまいますね。

ー 具体的に、WINBACKをどのように活用されていますか?

原田トレーナー:僕らが触って「硬いな」と感じたとき、柔軟性を高めたい場面では間違いなく選択します。あとは、選手がアップに入る前に、体の筋肉を温かい状態にするとけがのリスクが下がるので、筋温を上げるためにも使いますね。

なので、僕は練習前や試合前にメインに使うようにしています。温めるって聞くと、足首の捻挫などの急性期には使えないんじゃないかと思われがちですが、出力や熱の量を調整すれば使えるんですよね。

足の腫れの軽減をサポートできるので、細胞へのアプローチも含めて、さまざまな使い方ができています。ケアや予防、全てにおいて使いやすくて、いろんなパターンで使っています。

ー 反対に、WINBACKを使わないという選択肢はありますか?

原田トレーナー:セルフケアを中心にしている選手は基本的には使いません。

いわきFCではシーズン前に、選手の体の状態を把握する「メディカルチェック」を行っています。筋肉の硬さ、筋力や反応などを数値で出して、低い選手をピックアップして、かなり細かく選手の体を見てエクササイズの内容を個別に作成しています。

今までのけがの履歴をトレーナーが把握して、補強できるようなエクササイズやストレッチが提供できていれば、介入しなくてもいい選手もいるんですよね。

ー 選手からの反応はありますか?

井澤トレーナー:選手からは、ダイレクトに反応があればないときもありますが、フィードバックとしては「とてもあたたかい」ですかね。トレーナー側からしても、温かさが持続する感じがします。

原田トレーナー:目的とした部分を瞬時に温めたくても、普通は時間がかかってしまうので、すぐ温かくなる点は選手の感覚的にもいいみたいですね。

例えば鍼をして欲しいなど、選手が好きな治療があるのでその場合は合わせますが、トレーナーに任せてくれる場合はWINBACKを極力使用します。鍼を打つと血流が良くなるので体は温まるんですが、WINBACKを使うと、選手の感覚的なところも含めて温まる印象です。

WINBACKを使ったことのない選手も多いので、使うとまず気持ちいいと言ってくれて、すぐに良さを実感してもらえてまたやって欲しいとなりますね。リラックス効果を求めて選手にお願いされる場合もあります。

使う前と使った後では、筋肉の柔軟性も変わってきますし、選手も動きやすくなる感覚があるようです。「痛みのレベルが減っていく感覚がある」と言われることもあるので、選手自身にも変化が見えやすいようです。

ー 環境は、選手のパフォーマンスアップに影響するのでしょうか?

井澤トレーナー:人と物が揃っているこの環境は、チームの成長と関係しているかもしれません。特に、いわきFCは、メディカルのサポート体制が整っているんです。

ドクターとトレーナーがしっかり連携しているので、ソフト面とハード面が充実していると思いますね。

原田トレーナー:いわきFCは、移籍してきた選手がたくさんいるので実感しているかもしれませんが、治療や筋トレの器具などが他のチームよりも充実しています。

ただ、物が揃いすぎていても選択に迷うケースがあるので、いいことばかりではないと思うんです。僕らが選手に合った方法を提案することで迷いを防ぎ、その結果信頼関係ができていくと思うので、パフォーマンスアップに繋がると信じています。

ー ここからは選手に質問です。
WINBACKを使っている理由や使用方法を教えてください。

石田 侑資(以下:石田選手):中学生の頃に分離症に近い状態になって、慢性的な痛みに悩まされてきましたが、今年の試合でさらに痛みが悪化してしまいました。そこからずっとWINBACKを愛用していて、練習前と後の1日2回使っているので、日常になくてはならない存在になっています。練習前に湯船で体を温める選手もいますが、僕はそれだけでは足りないんですよね。

あとは起床時に、ふくらはぎの筋肉の柔軟性が弱いと感じたときは、そのまま練習に入るとけがをしてしまいそうなので、けが予防のためにも使っています。

自分の体の状態をみて、WINBACKが必要だなと思う場所があれば積極的に取り入れているという状況です。

近藤 慶一(以下:近藤選手):今右の膝をけがしているので、WINBACKを使ってトレーナーさんにほぐしてもらっています。朝は痛みが出ないようにするためにWINBACKを使っていて、試合後や練習後は、痛みや疲労をできるだけ残さないようにするために使っているんです。

痛みを抱えながら試合に出ている状態ではありますが、WINBACKを使うと筋肉が緩まるので、試合中の痛みの緩和や、膝と膝の衝突時の痛みの軽減を実感しています。

これまで何度かけがをしてきて、トレーナーさんの手を借りたり自分で器具を買ったりしながらケアしてきました。半年ほど前にWINBACKに出会ってずっと使っていますが、使うと体の状態が明らかに違うので、積極的に使うようにしていますね。

大学の頃にぎっくり腰をしてしまって、それから腰痛持ちになって腰を痛めることがあるので、そのケアでも使っています。

ー WINBACKを使って実感している効果があれば教えてください。

石田選手:体が芯から温まるので、温まった状態で練習に入れる感覚がすごくいいなと思っています。WINBACKを使ってもらってからは、体のゆるみを感じているし、痛みなくプレーできています。

近藤選手:半年前のWINBACKを使っていなかった状態と今では、痛みがない分、パフォーマンスが上がってきていると思います。

痛みがあると自分の持ってる能力を最大限発揮できないので、痛みが少しずつ軽減されるとパフォーマンスも自然と上がりますよね。かばいながらやるのと、あまり気にせずできるのとでは全然違います。

ー WINBACKと他の機器との違いがあればぜひ教えてください。

石田選手:他の機械と比較して緩まるスピードが早く、すぐに体を温めて練習に入れるので、使わせてもらってよかったなって思ってます。なければないで他の方法を見つけるとは思うんですけど、WINBACKがなかったら結構苦しんでいる気がするし、戦えていないかもしれないですね。

今は少しでも腰が痛いなと感じたら、早めに来てWINBACKを当ててもらっているので、とても頼りにしています。

ー 試合の日も同じようにWINBACKを使われていますか?

石田選手:ホームだと使えるんですが、アウェイには持って行けないので使えません。代わりに消炎鎮痛剤を腰に塗ってもらいますが、ないときは、薬の力で痛みを止めるケアをするしかない状況ですね。

近藤選手:WINBACKを頼りにしているので、アウェイで持っていけないときは応急処置でしのいでいる状態です。機械を持ち運んで電気を流したり、自分でストレッチをしたり、トレーナーさんの手を借りてほぐしてもらったりしています。

ー 他にも食事など、体のケアとして取り入れていることがあれば教えてください。

石田選手:週に2回トレーニングがあって、腰だけでなく体全体を強化しています。午前と午後でトレーニングの内容が分かれていて、午前はボールトレーニングで午後は筋トレと、それぞれ専門のトレーナーがメニューを組んでくれるんです。

あと、いわきFCは食事にも力を入れてくれているので、シーズン中は、1日3食の食事内容を写真で送っています。血液検査も4ヶ月に1回あって、自分の体に足りない栄養素も結果として全部出るので、フィードバックしてもらって、ご飯の内容を変えたり量を変えたりします。

今年は魚を多めに食べるようにしてから体の調子がいいので、朝は焼き魚を食べて忙しいときは簡単にホイル焼きにしてと、日常的に魚を摂取するように心がけているんです。オフの前の日とオフの日以外は、朝昼晩食べたものを写真で送らなくちゃいけないので、送らなくていい日に焼肉を食べています(笑)。

近藤選手:太りやすい体質なので、食事の面では、炭水化物や脂質は取りすぎないようにしています。1ヶ月で4キロぐらい太ったこともあるほど太る体質で、今は82キロなんですけど、シーズンが始まった1月頃はすごく太っていました。

シーズン中はハードなトレーニングをしているので問題ありませんが、オフシーズンに入ると自分でトレーニングをするので、見合った食事量でないと太るんですよね。やっぱり油が一番体に出やすいので、おかしを食べるとしても油菓子はあまり取らないようにして、ラムネであったりグミにしています。お菓子は報告しなくていいので、自分で制限しながら食べています(笑)。

サッカー選手に限らず、よく体を動かすスポーツ選手は、みんな制限していると思いますよ。スポーツする分、体が何倍も何倍も痛みやすいから、内側からもちゃんとケアしないといけないですよね。

ー いわきFCの環境についてはどう感じられていますか?

石田選手:疲労を溜めないための試行錯誤ができる環境なので、パフォーマンスも段々上がってきていると思っていますし、ありがたいなと感じています。

走りやすくなったり体が動かしやすくなったりすると、自然と成績もアップしますよね。道具を提供してくれている企業さんが多くいらっしゃることも、非常にありがたいと思っています。

近藤選手:いわきFCは、選手間の仲が非常によく、チームワークや連携に自信があります。年の差がほとんどないので、先輩後輩の上下関係があまりなく、お互いにとって必要なことを言い合えているのかなと思っています。

いわきFCが初めてのクラブなので、他のクラブのことは正直わからないんですが、いわきFCにいるスタッフは選手を丁寧に見てくれる人ばかりなんです。

今自分に足りないものを、映像を使ってわかりやすく教えてくれたり、スタッフと選手の距離感も少なく言いやすい環境を作ってくれたりしています。サッカーをするための最適な場所ですよ。

ー 最後にいわきFCの地元であるいわき市の魅力を教えてください。

石田選手:直近の試合で、たくさんのファンの皆さんが旗を持って振って応援してくれているのを見て、街全体で戦っているような一体感を感じました。

いわき市のために戦いたいですし、もっと盛り上げたいと常に思っています。街の方がパワーをくれるので、食事やケアなどを含めて、最大限の努力をしようと思えるんですよね。

海も近いので、オフは魚を釣りに行ってとった魚を食べますが、とても住みやすくていい街ですよ。

近藤選手:僕は、うどんが好きなんですが、小名浜にある「かぐら」っていううどん屋がものすごく美味しいです。今まで食べてきたうどんの中でも1.2を争うぐらい美味しいので、試合の観戦ついでにぜひ行ってみていただきたいなと思います。


今回取材させていただいた方のプロフィール

井澤 秀典 (イザワ ヒデノリ)
鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師の国家資格を持ちつつ、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーとして、日本のスポーツ界を支えるトレーナー。

「けがをなくしてトレーナーいらずになる世界」を目指して、選手それぞれが体を管理してコンディショニングを保ち、よいパフォーマンスが出せるような土台作りに貢献している。

けがをした選手にはいち早くピッチで対応して回復するようケアし、スポーツに専念できる体づくりをサポートしている。

原田 倖大 (ハラダ コウダイ)
柔道整復師や鍼灸師の国家資格を持ち、国体などに帯同するトレーナー活動を行ってきた。

接骨院や社会人・シニアのサッカートレーナー、宮崎のJ3のチームを経て、いわきFCのトレーナーに就任。さまざまな場所でのトレーナーとしての経験を経て、けがをした体のつらい部分をケアするのはもちろん、それ以前の予防を重要視するようになり、現在は予防ケアに力を入れている。

石田 侑資 (イシダ ユウスケ)
2002年生まれ。徳島RAPAZー徳島ヴォルティスJrユースー市立船橋高ーガイナーレ鳥取を経て、2023年にいわきFCに加入。ポジションはディフェンダーで、背番号は2番。

近藤 慶一 (コンドウ ヨシヒト)
2002年生まれ。多治見ZERO FCー瀬戸FCー中京高ー名古屋学院大(2023〜特別指定選手)を経て、2024年にいわきFCに加入。ポジションはフォワードで、背番号は9番。

【 いわきFCについて 】
■2012年 
福島県社会人サッカーリーグに参入するため発足
■2015年 
いわきFC運営会社 株式会社いわきスポーツクラブ設立
■2017年 
日本初の商業施設併設型クラブハウス「いわきFCパーク」グランドオープン
■2021年 
Jリーグ(J3)入会が正式に決定
■2022年 
J3ホーム開幕戦でJリーグ初勝利を記録
■2022年 
2023明治安田生命J3リーグの鹿児島戦で勝利しJ3優勝・J2昇格が決定
■2023年 
2024年シーズン「J1クラブライセンス」交付

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