スペシャルインタビューinterview

【FCふじざくら山梨】プレイングワーカーでも結果を出し続ける秘策に迫る

写真提供:FCふじざくら山梨

「競技で一流、社会でも一流」を目指すプレイングワーカーがコンセプトの、社会人女子サッカーチームFCふじざくら山梨。

仕事と両立しながら限られた時間で結果を出すため、チーム全体で効率的な仕組み作りに取り組んでいます。

そんなFCふじざくら山梨は、WINBACKブランドのポータブル高周波機R-SHOCKを導入したことで、より効率的にケアができる環境が作れたそうです。

今回は、R-SHOCKを愛用してくださっているトレーナーの小川楓香さんをはじめ、脇田選手と中村選手にも話を伺い、濱名選手からはコメントをいただきました。

R-SHOCKを取り入れたきっかけ

FCふじざくら山梨の練習の様子

小川トレーナー:元々WINBACKを知っていて、温めながら治療できてケアの時間が短縮できる機械なので、1年の半分は寒い環境にあるこのチームに合っていると確信していました。

高価なものなのでチームに言うのを躊躇していたんですが、実際に選手が使ってよさを実感したことで、選手の要望がフロント側にも伝わりました。

トレーナーの世界って結構狭くて、Jリーグはもちろん、サッカー以外のところでもWINBACKの話題がよく出てきます。

ご紹介いただいたときは「これだ」という感じで、すごく嬉しかったです。

1人で26人のケア!困難を解消するための方法

脇田選手をケアする小川トレーナー

小川トレーナー:現状専属トレーナーは私1人なので、基本は1人ですべての選手のケアをしていて、週1回スポットでトレーナーが1人来てくれている状態です。

選手の仕事が終わってからの限られた時間内で、26人全員をチェックしてケアするのは難しい状況です。

どうしてもこの体制は当分変わらないので、すべてトレーナーが介入するのではなく、選手個人でコンディション調整ができるような仕組みを整えています。

元々選手自身にセルフケアしてもらうようにはしていましたが、R-SHOCKは操作方法もわかりやすいので、選手1人でも使えてケアがさらに楽になりました。

細かい指導はこれまでに積み重ねてきているので、練習前と練習後のヒアリングと何かあったときの対応はトレーナーで、それ以外は自分で調整する体制を整えています。

土地柄ならではのR-SHOCKの生かし方

小川トレーナー:今の山梨も本当に寒いんですが、仕事をしながらだと夜の練習になるので、冬だと気温がマイナスになるほど寒いんです。

そこで、筋肉系のけがの予防として、練習前に5分10分R-SHOCKを当てて筋温を上げてから外に出てもらっています。

山梨は、冷えやすい土地柄であることも関係していると思うのですが、冬になるとさらに筋肉系の症状が多くなるんですよね。

症状として多いのは、ももの前側や裏側、ふくらはぎの肉離れ、あとは内転筋の症状が多くなるので、その予防としても使っています。

女子サッカーならではのけが

小川トレーナー:サッカー、特に女子は膝の内側の靭帯損傷が多いんです。前十字靭帯損傷や筋肉系の症状は固まりやすいのですが、R-SHOCKを使うと動きがよくなるという感想をもらっています。

もも前の肉離れを起こした選手もいたんですが、ストレッチ前にR-SHOCKを使うと、ストレッチ痛が緩和されるような感覚があるという感想もありました。

女子に前十字靭帯損傷が多い理由として、さまざまな研究や論争はあるんですが、明確な答えはまだ出ていません。

ただ、見ている感じでは骨格的な問題があると思います。あと、個人的に月経との関連が大きいのではと、今はホルモン値を尿検査で調べて研究している段階です。

2ヶ月ほどの月経周期を元に、そのときの前十字靭帯損傷や障害発生率の状態で調べているんですけど、やはり月経も関連はあるんじゃないかと予測しています。

トレーナーさんからみたR-SHOCKの魅力

小川トレーナーへのインタビューの様子

小川トレーナー:最近では、前十字靭帯を損傷した選手の治療で使っていて、特に膝周りのケアに使っていました。

R-SHOCKがなかった頃は、手技の前にホットパックで温めてから介入していたんですが、当てている時間は介入ができないので、リハビリの時間が長くなっていたんです。

でも、R-SHOCKは温めながら手技ができるのですごく時短になりますし、今までよりも早くしっかり温まります。

R-SHOCKを本格的に使い始めて1ヶ月半ぐらいですが、選手の使用頻度はかなり高い状況です。

膝周りが固まりやすい選手が多いんですが、R-SHOCKで治療したあとだとスッと伸びやすい感覚があるようなので、セルフケアだけでなく治療前にも使っていますよ。

R-SHOCKは遠征先にも持ち運べる

R-SHOCKでセルフケアをする濱名選手

小川トレーナー:なでしこリーグは遠征が多くて、試合の北海道から合宿の沖縄まで、週に1回は必ずどこかに行くんです。

大きい機材だと持ち運びが大変ですが、R-SHOCKは持ち運びができて現場のスタッフにとってはありがたい点ですね。

特にシーズンスタート時は遠征に慣れてない時期で、移動で体が固まってしまうことやコンディションが整わないことがあるので、体の調整に役に立っています。

充電式なので、コンセントがなくても使えるのが本当に助かりますね。

濱名選手:充電式で持ち運びができるので、移動や遠征先でも使えて、リハビリのお供として常に活用していました。

理学療法士さんへの高周波のおすすめポイント

小川トレーナー:高周波を使うと、治療の幅が広がる点を伝えたいですね。病院の中にいたときは、「徒手だけで介入することが正義」とまでは言いませんが、そういう風潮もあったように思います。

もちろん、徒手だけで解決できればそれでもいいんですが、やはり高周波を使うと最速で治すことができる気がしています。

高周波を使うと、患者さんをなるべく早期復帰させる、もしくはアスリートを早く競技に復帰させられることがもっと広まるといいですよね。

他の機械とWINBACK製品の大きな違い

R-SHOCKを持つ小川トレーナー

小川トレーナー:私がFCふじざくら山梨に来る前は機械は1台だけだったんですが、ハイボルトやEMSなど、チームへの必要性をお話ししながら少しずつ入れてもらってきました。

今まで使ってきた機械とR-SHOCKの大きな違いは、手技をしながら介入ができる点ですね。

例えば電気だと、流しながら手技をしているとパットが剥がれちゃったり電流の強さが変わったりするので、痛みが出ることがあるんです。

肘を伸ばした状態で貼っているのと、曲げて少し動かしたときだと電流のかかり方が変わるので、流している間に施術することはほとんどありません。

でも、R-SHOCKは手技と温めが同時にできるので、むしろどんどん介入しながら使っていますね。

R-SHOCKを使ったセルフケア

左から脇田選手、中村選手

脇田選手:R-SHOCKは、肉離れをしたときから使い始めました。

これまでハイボルトや超音波も使っていましたし、整骨院にも通っていたんですが、治療してもなかなか治らなかったんです。

でも、R-SHOCKを使い始めてからは、治りが早いような気がしています。

今は痛みのあるもも前に重点的に使っていますが、けがの予防もできると聞いたので、他のところにも使ってみようかなと思っています。

中村選手:1ヶ月位前に、膝の内側靱帯を損傷して、治療をしながら練習に参加しています。シーズン中は、治療をしながらなんとかプレーしている状況で、今は痛みもありますが、プレーに支障がないほどで少しずつ良くなっています。

けがの治療にR-SHOCKを使っているんですが、使う前と使ってからでは治りが少し早くなったことを実感していますね。

けがの治療としてトレーナーさんにも使ってもらっていますし、セルフケアでも週に3.4回、練習後に自分で使って治療しています。

チームの選手の半分ぐらいはR-SHOCKを使っていますよ。

濱名選手:移動や気温によって膝が固まったりしますが、WINBACKを使うことで膝のこわばりがなくなり、スムーズに動くようになりました。

さらに、自分の手でマッサージしながら使えるので、違和感のある部分に直接自分でアプローチできて、けがの術後の可動域改善にも繋がりました。

セルフケアの方法

セルフケアをする脇田選手

脇田選手:ストレッチやポールを使って練習終わりに足をほぐしていて、週に大体3回ぐらいR-SHOCKを使っています。

体の疲れを感じる部分は「ふとももの外」なので、セルフケアは下半身中心で、痛みがあるときは練習終わりに毎回使っていますね。

体作りの面ではストレッチは欠かせませんし、冷えた状態だとけがをしやすいので、練習前に筋温を上げるために欠かさず走っています。

あと、FCふじざくら山梨は、練習場が富士山の麓にあるので、富士山を見ながら練習できるだけでなく常に高地トレーニングができるんですよ。

標高が約1,000mと高いので、慣れるまでは結構時間がかかりましたけどね。

中村選手:今やっているセルフケアとしては、練習前にストレッチをして、練習後にR-SHOCKを使って治療している状態です。

本当は、練習前にもセルフケアを取り入れたいんですが、仕事を終えてからすぐに練習が始まるような状況なので、なかなか時間が取れません。

月曜日は1日練習がオフになるので、クラブハウスに来て治療を受けたり、近くの接骨院でケアをしてもらったりしています。

試合後の次の日でも、朝一番に来て1人でジョグしている選手もいたり、長い時間ストレッチする選手がいたりします。

試合の出場時間や自分の体にあったケアをしている選手を見ると刺激になりますし、見習わなきゃなと思いますね。

チームの強さの秘訣は?

プレーをする中村選手

小川トレーナー:選手に最大限プレーしてもらいたいという思いが根底にあって、監督コーチ陣とは密にコミュニケーションを取っているので、その点は強さに貢献している気がしています。

チーム全体で膝周りのけがでの長期離脱の予防に取り組んでいるので、4年間ここにいて前十字靭帯損傷のけがが1件だけなのも、チームの強さにつながっていると思います。

脇田選手:チームの中で、私が真ん中くらいの年代なんですが、上も下も仲がいいんです。

仲がいいのは馴れ合いではなく、求めるところは求められる、1部昇格という目標に向かって全員で切磋琢磨し合える仲間なんです。

入団して1年目に昇格したときは人数が少なかったこともあって、目標に向かって全員でやってきましたし、誰1人としてかけられない状況でした。

今シーズンは、在籍人数が今までで1番多い25人からスタートして、今26人です。

チームで紅白戦もできる状況で、競争率も激しくなっていますが、練習だとしてもチームのために全員が全力でやっています。

カツカツの人数でやっていたときは、体を休める時間もなく交代できない状況だったので、体の負担が減っている点も大きいですね。

何度も重ねてきたミーティングも、強さにつながっていると思います。

中村選手:今、なでしこリーグ2部で2年目なんですけど、去年は7位という結果で終わりました。

昨年ももちろん、なでしこリーグ1部昇格という目標を目指した中での7位だったんですけど、今シーズンはその目標だけでなくチーム全員で勝ち点の目標を明確にしました。

半分終わった時点でどれだけ達成しているか、何が足りてないのかをチーム全員で話し合っていたことで、昨年よりも目標に近づけたと感じています。

今シーズンはチーム最多の26人で活動したことで、チーム内での競争が激しくなったので、みんなが「次の試合は絶対自分がピッチに立ってやる」という気持ちになっていました。

昨年はけが人がいて11人ギリギリで活動してた時期もあったので、高め合うというよりは、一丸となって全員で戦うっていう感じでした。

もちろん今年もそれは同じなんですけど、競争が激しくなったことは、強さにつながっていると思います。

チームとしての目標はなでしこリーグ1部昇格!

キッズサポートからの応援メッセージ

脇田選手:チームとしては、なでしこリーグ2部から1部昇格という目標に向かって日々練習しています。

個人では、サッカーが上手くなって将来的にはプロになりたいので、それを目標にサッカーしています。

もっと大きな夢で言うと、体育の教師になりたいんです。

プロになったら、教師としても子どもたちに伝えられる部分があると思いますし、小さい頃からサッカーをしているので、プロは憧れの舞台であり場所なんですよね。

中村選手:チームとしての目標は、まずはなでしこリーグ1部に昇格することです。個人としても、1部に昇格するために、ピッチに立って結果を残したいですね。

 


今回取材させていただいた方のプロフィール

■ 小川 楓香 (オガワ フウカ)トレーナー
医療法人横浜未来ヘルスケアシステムに所属しながら、フットワーククラブ寒川やニッパツ横浜FCシーガルズを経て、FCふじざくら山梨の専属トレーナとなる。

スポーツが好きで、けがを防ぐために病院外でサポートしたいという思いが、サッカー現場に関わるきっかけとなる。

けがの選手を治療して復帰させるのはもちろん、その前段階でけがを止められる、選手がプレーに集中できるよう予防のできるトレーナーを目指している。 

■ 脇田 紗弥 (ワキタ サヤ)選手
函館亀田サッカー少年団→BP函館キルティ→北海道文教大学明清高等学校→仙台大学→FCふじざくら山梨。

兄の影響で小学1年生からサッカーをはじめ、大学卒業後にFCふじざくら山梨に入団し、現在3年目。プロを目指し、将来的には体育教師になるという夢をもつ。

■ 中村 友香 (ナカムラ ユウカ)選手
大飯島FC→トップストーンロゼッタ→帝京第三高等学校→帝京平成大学→FCふじざくら山梨。

兄の影響でサッカーをはじめ、大学卒業後にFCふじざくら山梨に入団し、現在3年目。チームとしても個人としても目標のなでしこリーグ1部昇格に向けて、ピッチに立って結果を残すことを目標としている。

■ 濱名 花子 (ハマナ カコ)選手
エルフェン埼玉マリ→ちふれASエルフェン埼玉マリu-18→山梨学院大学→FCふじざくら山梨。


この記事を書いた人

川口 玲菜(かわぐち れな)美容ライター

美容の仕事に10年以上従事したのち、ライターに転身。 5,000名以上の接客経験と100名以上の教育経験を活かし、対談構成や取材を手掛け、話者の言語化をサポート。 思いを誠実に汲み取り、読者に伝わる文章を届けるライター。

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