スペシャルインタビューinterview

【富山グラウジーズ】目指すはCHAMPIONSHIP出場―怪我をなくすためのチームづくりとは?

左から、伊藤 駿選手(PG)、水戸 健史選手(SG)

富山グラウジーズは、富山県富山市をホームタウンとして、10月から開幕したBリーグ1部中地区に所属するプロバスケットボールチーム。2022-2023シーズンは15勝45敗でB2降格候補となる苦しい展開の中、最後は昨年のW杯でも活躍した河村選手も在籍する、横浜ビー・コルセアーズとの激戦を制してB1残留を決めました。

今回はシーズン開幕直前のチームに訪問し、選手、そして選手のケアを担当しているトレーナーにお話を伺いました。

©TOYAMAGROUSES

水戸 健史選手、伊藤 駿選手、山口智也トレーナーの3名にお話を伺いました。

まずは昨年の振り返りからお願いします。厳しい戦いを切り抜けて、B1残留を決めましたが?

水戸選手 そうですね、最後まで降格が残留かわからない状況で、非常に厳しいシーズンでした。
ひとまず残ることができて嬉しい気持ちもありますが、ここで気を引き締めていかないと、今シーズンも厳しくなってくると危惧しています。

-水戸選手は来シーズンで16年目を迎えられますよね!チームとしてはどういったところがポイントになってきそうですか?

水戸選手 16年目か・・・相当長いですよね(笑)でも何年いるかとかは関係なく、昨シーズンが厳しい戦況になった分、次はいいシーズンにしていきたいです。
課題は選手、コーチそれぞれにあるんですけど、いかに今やるべきことに集中できるかが大事だと思います。

伊藤選手 僕は今シーズンからチームに加入しましたが、すごくウェルカムな環境でチームとのコミュニケーションもどんどん取れてきているので、やっぱり次シーズンの課題としてはまず怪我を防ぐことが1番じゃないですかね。

山口トレーナー 昨シーズンはトレーナーが1人体制で怪我の管理が厳しかったのもあると思います。特に後半は疲労がたまってきて、怪我につながりやすくなってきますが、1人の怪我でチームの戦闘力が一気に下がってしまうので。
来シーズンからは、常勤トレーナー2名+週1日で外部の柔道整復師1名という体制で臨みます。それでも1人のトレーナーがケアできる人数は1日6~7人が限界なので、このオフシーズンの間に、セルフケアの重要性を選手に伝える時間をとり、教育に力を入れました。
もともとはマッサージガンやストレッチなど、器具なしでできることをセルフで行っていたので、Rshock*を使うことでセルフケアの質は確実に向上していっていると思います。

*R-SHOCKとは、世界初モバイルRFとして高周波×低周波の同時出力で、痛みを軽減することが可能な高周波機器。多くのスポーツチームやアスリートのケア使用されている。

練習後にRshockをセルフケアに取り入れる様子(上田隼輔選手)

-なるほど、怪我を防ぐことやセルフケアが勝率を上げるポイントになってきそうですね。

山口トレーナー そうですね、今シーズンはチャンピオンシップの出場を目標にしているので、こちらとしてはそれに応えられるようメディカルについては全面的にサポートしていきたいです。
トレーナーは選手とコーチの間の難しいポジションだと思っていますが、方針としては、選手6-7割、コーチ3-4割で、スタッフとの中間よりすこし選手に寄り添う方が選手からいい情報を引き出しつつコーチにもアドバイスができるのかなとも思います。良いパイプ役になりたいですね。

*10月の開幕から4月まで行われるレギュラーシーズンで勝率の高い上位8チームだけが「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP」に出場できる。

山口智也アスレティックトレーナー

-すでにRshockを使い始めていただいてますが、どのあたりが怪我のリスク回避になると思われますか?

水戸選手 僕も昨シーズンの最後の方怪我をして1ヶ月ほど試合に出ることができなかったので、個人的にも怪我に対しては徹底的に対策していきたいということで、Rshockを積極的に使わせてもらってます。
シーズン中に怪我をした際はまだRshockに出会ってなかったんですが、その後夏頃にもふくらはぎを怪我してしまい、初めて使わせてもらいました。まずは痛みが和らいだというのを1番に感じましたね。痛みが少ないので、怪我直後1週間休んだ後はすぐに練習に戻ることができました
シーズン中は1ヶ月試合に出れなかったことを考えると、練習を抜けなければいけない期間が短くなるのは非常に助かります。
あとは副次的に、痛みがある箇所以外も筋温が上がって動きやすくなったことも効果として非常に感じました。

伊藤選手 今まで超音波やラジオ波などいろんな機械を使ってきましたけど、使用感がすごくいいですね。筋肉の瞬発力が上がるというか、動きやすさが段違いでした。使うのと使わないのでこんなに違いがあるなら絶対使った方がいいですよね。

山口トレーナー 僕自身が使ったことのある、超音波や他の機器よりも圧倒的に熱の入りが早かったですね。寒くなってくると、筋肉や関節が動かしづらくなってきて冬は特に怪我が増えてくるんです。Rshockで筋温上昇させて組織の伸展性をあげておくことによって、いろんな動きに対応でき、怪我の予防に繋がってくれるのは間違いないと思います。パルス(低周波)が併用できるのもいいですね。

水戸選手のように実際怪我をしてしまった後も、例えば肉離れをしてしまった選手もかなり早く現場復帰できている印象です。もうこんなこともできるの?と思うほど、回復が早くて驚かされました。
トレーナーとしては、充電して遠征先に持っていったり移動中のバスの中で使えるというのも非常に助かっています。
たまに充電するのを忘れていて、いざというときに、「しまった!」となるときがあるのでそれだけ今後は気をつけたいです(笑)

練習後、トレーナー陣によるボディケア

-Rshockでのケア以外では、何か気を付けられていることってありますか?

伊藤選手 お風呂上りのストレッチはずっと続けているのと、食事はなるべく自炊するようにして、体にいいものを取り入れるように気をつけています。

水戸選手 僕本当に特に何も気にしてなくて(笑)、ルーティンとかもそれにとらわれてしまうのが嫌であえて決めないようにしてるんです。やってみて調子がよかったなと思ったことを続けているくらいで。なので今はRshockに大いに頼っている感じですね(笑)

-これだけハードな練習が続くと、どれだけ気を付けていても不調がでてきたりもしそうですが、お休みはしっかり取られてるんでしょうか?

水戸選手 基本週休2日ですね(笑)皆さんが思われてるよりしっかり休めてるんじゃないかと思います。僕は休みはファミリーデーにあててリフレッシュするようにしてますね。

伊藤選手 僕は昔ながらのレトロな喫茶店が好きで、休みの日はよく通っています。何もせず、ただぼーっとするのが好きです(笑)

-今日のリラックスした雰囲気からは想像できないほどの努力をしてここまでこられたお2人だと思うんですが、どのような思いで今日までやってこられたんでしょうか?

水戸選手 いやー、自分なんて空っぽですよ、何もない!(笑)ただ、自分よりもうまい人たちは小学校から常に他にもたくさんいました。そのみんながやめていく中で、続けてきたことだけは誇りに思えますね。

伊藤選手 どんな状況でもさぼることなく練習してきたなと今思い返したら思いますね。他の人たちが休んでるときも自分は練習していたタイプだったので本当に続けていてよかったなと今は思えます。

ありがとうございました!来シーズンも活躍期待しております!


富山グラウジーズ

1998年 2000年とやま国体に向けた強化チームして発足
2000年 国体本大会優勝
2003年 全日本クラブ選手権で優勝
2005年 bjリーグ2006-07シーズンより参戦が決定。北陸3県初のプロスポーツチームとなる
2016年 B.LEAGUE 1部リーグに参入 
2019年 年間王者を決めるチャンピオンシップへの初出場を決める
2023年 米山ジャバ偉生選手 「第19回アジア競技大会」男子日本代表選手に選出

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